Abox People Vol.3 「写真家 中西敏貴 スペシャルインタビュー」後編

interview Vol.3

写真家 中西敏貴 スペシャルインタビュー 後編

【アートディレクターとの出会い】

高崎:中西さんには石川薫さんというプロデューサー、そして三村漢さんというアートディレクターがいらっしゃいます。僕にも柴田誠というプロデューサー的な存在と、國定勝利というアートディレクターがいますが、その役割をしてくださる方との出会いって、とても大きいように思います。いかがですか。

中西:でかいですよね。安心して任せていられる。やっぱり撮り手って自分の主観で撮ってるから自分の作品をクールに見られない時ってあるんですよ。自分が撮りためてきた作 品群を向こうに渡すと「これはこういう切り口でまとめるといいんじゃないの」っていう アドバイスをもらえるんですよ。だから写真家って一人でやっているようであっても、写真集作るときなんかはアートディレクターの存在って圧倒的で。写真家ってセルフプロデュース的な方が多いじゃないですか。でも、突き抜けていこうと思ったらチーム力なんですよ。

高崎:そう、僕もよく同じ話をしますね。まず客観的な意見をくれる人って大事なんですよ。できればアートディレクターがいいんですけど、アマチュアの方には中々出会う機会がないし、ましてや地方ではそういう
職種の方が少ないし。だから身内でもいいし、美術やアートに造詣が深い方だと更にいいんですが。そいうことよく話してますね。

中西、:そう、それは絶対に必要で、写真って人に見てもらって初めて成立するものじゃないですか。芸術全般そうですけれど。ていうことはこちら側のクリエイトする側の思いだけでは届かないんですよ。アートディレクターとか、編集者ってそっちなんですよ。撮り手側の気持ちなんて実はどうでもよかったりするんですよ。

高崎:そうですね。これは苦労したとか、3時間粘ったとか、そんなことは表現には全く関係ない。

中西:そう、どうでもいいんですよ。要は写真が良いか、悪いか。

高崎:届くかどうか、だけ。

中西:そういう役割の方とタッグを組んで一緒にやるっていうのはすごく大事だし。もちろんタッグ組む相手も重要ですよね。

成田:重要ですよね。でもそれが難しいでしょう。

中西:そう、フィーリングが合わないデザイナーっているから。(笑)

高崎:メジャーだとか、大御所だからということは関係ないし。

中西:そう関係ない。

高崎:三村さんとはどういう風にお知り合いになったんですか?

中西:この写真集(「ORDINARY」)は「風景写真」さんから出しているんですけど、 その時に編集部の人から「中西さんと合いそうな人がいる」って紹介していただいたんです。

高崎:やっぱり。その頃だろうなって思ってたんです。中西さんに加速がついて「表現」に走っている気がしましたから。僕は中西さんとはそれほど会ってないんだけど、その頃から明らかに変わりましたよね。一応、僕は長くやってるんでいろんな写真家が突き抜け

ていく瞬間を見てきたから判るんだけど、JPCOで初めてお目にかかった時と明らかに違う。「うわ、この人今すごく伸びてる。」って感じてました。もちろん中西さん本人も成長してるんだけど、それには絶対に第三者の力が作用してるなって。

中西:これ(「ORDINARY」)のコンセプトとか、まとめ上げていくときに三村漢さんのまとめ方が風景写真ではありえない、四季組みとか無視してるんですよ。左右のページの造形感とか、色味のパターンだけで組んでるんですけど、そういうのは風景写真では今までなかった。そういう提案をしてくれて「突き抜けるにはこれじゃないとダメだよ。」って。それがね、ハマったんですよ。でも若干、いわゆる旧体制然とした写真集的要素も残したの。それは風景写真の好きな読者にも届くように。それはここ(「風景写真」出版)から出したっていうのがあって、キャッチーな部分も残さなきゃいけない。

高崎:なるほど。

中西:で、明後日からやる「Design」展は、もう完全にどこの出版社の影響もない。商業的な要素がないんで、本当にトンがろうっ、ていうものにしました。

高崎:それは楽しみですね。必ず伺います。

高崎:First Contact展で僕はたまたま中西さんの隣に展示させてもらったんですよね。 僕は写真家であり、JECOのディレクターでもあったんだけど、各ジャンルから選出しようってことではなく、「今、海外に向けて紹介したい写真家は?」っていうことで考えた 時に、中西さんは外せないだろうって。

中西:それはありがとうございます。

高崎:僕の父が風景写真をやってたんで子供の頃から風景写真の写真集や写真雑誌に溢れてたんですけど、子供ながらに「どれも綺麗なんだけど、代わり映えしないなあ。」なんて思ってたんです。

中西:つまんねえなと。(笑)

高崎:いや、つまんないとは思わなかったけど、、でもそうなのかな。(笑)ただ、前田真三さんだけは別格で独自の路線を走っている気がした。だけど、随分経って自分が写真をやるようになっても、それほど目新しい作品出てこないジャンルなんだなあ。と思ってたところに中西さんの作品に触れて新しさを感じたんですよ。「あ、この人はただ風景を撮ってるんじゃなくって人の営みとか、優しさとかが写し込まれている。」
って。それは ラベンダー畑とかを撮ってた前田真三さんにもあったことかもしれないけれど、中西さんって、ただの車の轍(わだち)さえ魅力的な作品に仕上げてくるじゃないですか。

中西:そうそう。(笑)

高崎:それも雪道とかじゃなく、ただの未舗装の道で。こんなものさえ作品にしちゃうんだと。日本の原風景を撮っただけではなく、人間が築き上げた文化も作家のフィルターを通して表現されているなと。だから、やっと面白い人が日本の風景写真の世界にも出てき たんだって。もちろん、他にも頑張っていらっしゃる風景写真家の方って沢山いらっしゃるだろうし、僕が知らないだけだということも重々わかってるんだけど、やっぱり突き抜けているからこそ僕のような畑違いの人間とも出会ったんだろうし、そのご縁こそが絶対 的なものに感じたんですよ。

中西:そうですよね。ご縁ですよね。

高崎:覚えていらっしゃらないかもしれないけど、写真集の作品の選出に関しては中西さんとは他の写真家より、やり取りが多かったんですよ。「もっと作品ないの?」みたいな。

中西、あ~、ありましたね。

高崎:それも僕は楽しませてもらったんですけど、「この人、もしかして出し惜しみしてるのかな?」みたいな印象を受けたんですよ。(笑)

中西:そうなんですか?

高崎:「この人絶対、もっと出てくるよ。」って、ずっと柴田さんに言ってて。で、実際に出てくるから。(笑)

中西:なんかね、まだシリーズの全体像が見えてなかったんで、どうしたらいいのかな?っていうのは確かにありました。(笑)

高崎:12冊のシリーズっていう時点でどこか足並み揃えるっていうか、「どうせ自分の好きに作れないんじゃないか?」って思われているのかなって。実際は作家の好きにやってもらいたいという気持ちだったんですが、表紙や全体のフォーマットが決まっている時 点で、Don’t Touchな部分があるわけですからね。僕らも発行元としては反省点もいっぱいありますけど、あれはあれで利用して更に飛躍されている方が多いので一つの役割は果たせたと自負してますけど。

中西:未だに僕のファンの方には、あの写真集から今の僕の要素が出始めて、これで突き抜けた仰ってくださいますね。確かに僕の中でのターニングポイントはこの辺りなんですよ。最初に出した写真集は風景寄りのキャッチーな、、名前売りたいっていう思いもあっ たんですが、そしてある程度名前が出てきたところで初めてやりたいことができたっていうのがあります。それはプロとしては必要なことで、多分、高崎さんもそういう段階に来ていらっしゃるんでしょうけど。やっぱりやりたいことをやるためには、ある程度売れな いと、できないっていう。

高崎:そりゃそうですよね。

中西:だから好きにやってるなあ、この人。って思うのは大御所ばっかりな気がします。少し下の世代の写真家には依頼されて作例ばっかり撮ってる方も多いですが、それってやっぱりつまらなくって、、。

高崎:そうですね。写真家も見る側も、作品と作例をごっちゃにしてる人って多いですね。

中西、:うん、多い。でも僕も一時あるところから作例の仕事を依頼されてやってたんですけど、作品として撮ってて、作例としてはやってなかったんですよ。

高崎;それ、すっごくわかる。それで良いんですよね。

中西:全開で作品撮って、その方が絶対に刺さると思って。

高崎:うまくやれる人は使い分けてやればいいんですけど、、、それでいいと思いますよ。

中西:未だにカメラのテストなんかでも作例っぽい写真を出すつもりもなく。

高崎:今回のAboxでの中西さんの講座に対して「中西さん、宣伝用の作品出して。」ってお願いした時も、実は何でもいいと思っていたんです。中西さんがご自身の講座を告知するにあたって、出したいものであればそれでいいと。12冊の写真集の時のやり取りは何度も繰り返したけれど、最終的に中西さんの作りたいものに着地して欲しいなと思っていたんですよ。12冊、つまりは12人の写真家の作品を一つのシリーズにまとめるとはいえ、その中で一人一人が各自の色を出してくれないと、あまりディレクターがああしろこうしろって言い過ぎて小さくまとまっても意味ないですからね。

中西:この写真集(ORDINARY)の時の三村漢さんなんて、まさにそうでしたね。こっちがバーンと千枚くらい写真を投げかけるんですけど、ばばばばって組んでくれるんですよ。「これでどうですか?」みたいな。それがねえ、こっちからするとすごく新鮮なんですよ。「これとこれ組み合わせるのか~。」って。自分じゃ絶対に思いつかないような。それが逆に面白かったですね。だから石川さんが仰ってたけど、ケミストリーなんだって。化学反応起きたよね。って。一個じゃ爆発しないけど、3人寄って面白い反応が起きたねって。

高崎:まさに高い熱量を引き起こす化学反応ですよね。

中西:でも今は今で、またいろいろ考えてて、じゃあ、その3人ずーっと同じタッグでいいのかと。またこれも問題じゃないですか。またなんか新しい風も欲しいなと。そういうのもあるし、今やろうとしている日本人のDNAが持っている美意識みたいなものを僕らは風景写真としてやっていくし、高崎さんはアートの世界でやっていくし。

高崎:さっき中西さんは「日本人のDNA」っておっしゃったけど、僕は「民族の記憶」ってよく言うんです。

中西:そうそう、絶対そうですよ。日本人ってどんなに綺麗に作り上げてもリセットされる列島に住んでるでしょ。火山は爆発するし、地震は来る、津波が来る、、、。どんなに綺麗に整備したって、ひと揺れでゼロになっちゃう。その中で「滅びの美学」っていうか、その中でどう自然と関わり合いながら、美しいものを愛でるかっていうのがDNAに刻まれてるんですよ。今日の講座でもそんな話はするんですけど、欧米の方は違ってて自然を抑え込もうとか、支配しようとする、、。それが結構シンメトリーの構図に現れている。それが悪いってわけじゃなく、文化的な土壌が絶対にあって。だから日本人って写真撮るときにシンメトリーじゃなく、ずらすでしょ。それって日本の伝統的な美意識なんですよ。多分高崎さんの写真も絶対そうですよね。空間的な間とかね。

高崎:そうですね。でも僕はそれを踏まえて敢えて上下対象にして不安を煽ったりしますけど、それは作品の中に心地よさを求めてない時とか、つまり、中西さんがいま仰ったことを逆手にとって作図することも多いですね。僕の作品はちょっと毒っ気もありますから。こっから先は企業秘密ですが。(笑)

中西:(高崎の写真展図録を見て)これ、かっこいいですね。國定さんもすごい方ですよね。。さすが。。やっぱりアートディレクターとの出会いは大きいですよ。僕は三村漢さんに対しては、かなり自由にやってもらってるんですよ。もう好きにやってって。

高崎:僕もそうですね。國定さんに対してだけじゃなく、「4.5」の写真集をデザインしてくださった生亀寿昭さんにも厳しい予算の中ではあったけれど自由にやっていただきました。締め切りギリギリのところで大きく方向転換したんですが、その勇気って一人では持てなかったですね。一応、趣旨と自分のアイデアは伝えるけど、その上で「全部ひっくり返しちゃっていいですよ。」って。 やっぱり写真集って共同作業のものだし、確かに写真家の名前を関するものになるんだけど、本って写真家一人の力じゃできないですからね。

中西:できないですよね。印刷にするときの僕らにはわからないテクニックがあるじゃないですか。色の出し方とか。。三村漢さんは写真やるんですよ。だから写真家に寄り添ってくれるんです。

【千本ノック】

高崎:僕はカメラメーカーと何かやろうってあまり考えてないんです。大体、アカデミーの名前に「Abox(「カメラなんてただの箱」から由来)」なんて付けちゃう事からして、カメラメーカーの努力に水を差しているようなものですからね。(笑)中西さんってメーカーとの結びつきも強いように見えますが写真家協会などに所属されているんですか。

中西:いや、どこにも入っていません。

高崎:それなのにメーカーが歩み寄ってくるってすごいですね。僕は30年やってるのに一般の消費者のままですから。協会に入ってないからなんだって思ってたけど、そのせいじゃなかったんだ。(笑)

中西:師匠の高橋真澄が「協会に所属して箔付ける以前に、もっと作品を撮れ。」って。そうすれば仕事も増えるからって言われて。

高崎:高橋さんって中西さんが北海道に移住された時に「1日500カット作品レベルの写真を撮れ」って仰った方ですよね?

中西:そうです。

高崎:今は1日500カット撮れるようになりました?

中西:今は500は到達していて、、、。

高崎:それは凄い!

中西:で、「500到達しました!」って師匠に報告したら、「そうか、まあ、俺は1000カットに届いたからな。」って言われて。つまり、デジタルなんだから、フィルム時代とは概念が違うんだからって。まずはプロとしてやっていくだけの数があるか?って問われているんですよ。仕事で「写真ないですか?」って言われた時にグロスで渡せるかっていう。構図のバリエーションから全て使えるカットとして揃っているかと。

高崎:その「500カット」って聞いた時、千本ノックをイメージしたんです。広告の仕事でもまずは数を撮らなきゃ習得できないっていうことで、僕の講座の受講生にも「千本ノック」って称して撮らせているんです。商品撮影なんで、せいぜい半日で10カットいけば良い方なんですけど。

中西:やっぱり写真って撮れば撮るほど見えてくるものがあるじゃないですか。だから最初に遭われて、「え~、500カットってありえない!」って思いましたもん。もちろん連写でじゃないわけですから。作品クオリティでっていう意味ですから。そう言われた時にプロっていうのはなんて大変なんだと思いました。そんなんことを毎日やり続けなきゃいけないんだと。でも高橋が今になって言ってくれるのは「俺、みんなに言ってるんだけど。なかなかやらないんだよ。」って。『「わかりました!」って言ってやってきたの、お前が最初だよ。』って。

【去年より今年、今日より明日】

高崎:しかし出自も経歴も全く違うのに、しかも数回しかお目にかかってない人と思想がこんなに似てるかなあって思います。

中西:(笑)でもねえ。。やっぱり本気でその世界に突き抜けようと思ったら、究極やること同じだと思いますよ。

高崎:その通りですよね。スポーツだってなんだってそうだと思うんです。

中西:そうそう。

高崎:僕は写真家同士がつるんでいるのって、僕はあまり好きじゃないんですよ。

中西:あ~、僕も嫌い。(笑)

高崎:まだ実力がないときに先輩や師匠に教えを乞うのはいいんです。けど、プロのカメラマンとして活動してるのなら、違う職種の人と会って刺激もらう方が学べることがたくさんある気がします。

中西:全くその通りですね。僕は風景写真の人とはあまりつるまないんですよ。

高崎:僕はそもそもカメラマンとは一切交流を持たなかったのが、柴田さんのおかげでたくさんの写真家と出会えたんです。ただ、そこでベタベタするかっていうとそうじゃない。

中西:だから刺激は受けるんですよ。僕は高崎さんの作品見てすごく刺激を受ける。違うジャンル、、、ジャンルで括るのも実はあんまり好きじゃないんだけど、自分と違う視点で物事を見てる人の話とかすごく面白いって思うんですよ。だから、小説家もそうだし。。

成田、そこもお二人はそっくりですね。(笑)

高崎:だから、僕、今日は無口でしょ。自分が喋っているみたいなんだもん。

中西:(笑) 感性って教えるのが難しいっていうか、教えられるもんじゃないでしょう。それは人の人生観だったりが作用するわけだから。どんなに明るい写真が流行っていても暗い人は暗い写真撮るわけだし。

高崎:あ、僕のことですか(笑)

中西:いや、高崎さんのは、暗い中に一筋の光がある。

高崎:まあ、こっちはそれが売りですからねえ。(笑)

中西:何度も言うように写真って本当に映し鏡なんで、自分しか映らないんですよ。究極はね。だから自分を磨いていくしかないんですよ。あざとい人はあざとい写真になる。だから、僕、よくアマチュアの方に「写真うまくなる秘訣教えてください。」って聞かれるんですけど、「写真見ないことですね。」って答えるんです。

高崎:一緒だ。僕もそう思う。(笑)特に東京ってギャラリーが多いから写真展で溢れかえっている。その中で自分の肥やしになるものもあるんだけど、そうでないものが大半でしょ。写真を学ぶ人はある程度見ることも大事なんだけど、よくない展示を見て、ああ、これでいいんだ。っていう情報を自分の引き出しにストックしていくことってすごく危険な気がします。

中西:そう、他人の写真は刷り込みたくなるから。。頭の中でどうイメージ作っていくかといった違う世界のものに触れたほうがいいですよ。僕はアウトプットが風景で、高崎さんは、広告やアートっていう世界で、、、インプットの仕方は多分同じなんでしょうね。

高崎:そうですね。今日お話ししててそう感じました。

中西:だけど、こんな話ができる場はなかなか無いですよね。こういう話ができる場って重要じゃないですか?

成田:写真やってる皆さんはきっと聞きたがってると思いますよ。

中西:こういう話ってそれこそ授業でっていうより、時間を共有して座談会みたいな感じで話し合う方が伝わるんでしょうね。それができたら写真業界の起爆剤になるんでしょうね。

高崎:Aboxにはこうしたサロンもあるから、授業だけでなくアフターゼミとして、いま話していることのような事を受講生に伝えていきたいんですよ。

中西:いいですね。伝えたいこといっぱいあります。よく「プロになりたい」っていう方から相談されるんですが、「プロになるっていうことは撮りたかろうが、撮りたくなかろうが、天気が良かろうが悪かろうが撮らなくちゃいけない。」って。

高崎:Aboxでスローガンのように掲げているのが、「写真を通じて人生を豊かにしよう」 ということなんです。プロだろうがアマチュアだろうが、生き甲斐みたいなものが写真を撮る行為から見出してもらえることを願ってますね。アマチュアには楽しんでもらって、 プロにはもっと稼げる人になって欲しい。

中西:高崎さんのプロ向けの講座受けてみたい。

成田:相当ストイックになると思いますよ。(笑)

高崎:いや、超真面目にはやるけど、厳しくするつもりはないです。プロだって仕事を楽しむべきですから。でも、他の講座よりは厳しいかも(笑)。それに僕の商品撮影講座はプロ向けって限定しているわけでもないし。商品撮影に関してはプロ、アマの垣根が取っ払われる時代ですからね。真剣に学びたいという方にはその気持ちに応えますよ。松下龍士さんと一緒にやるアートの講座はとても楽しいものになるでしょうし。

成田:僕の周りにもいるんですが、自分の稚拙なテクニックにあぐらかいているカメラマンがいっぱいいるんですよ。でも高崎さん見てて思うのは、ご自身でプロ相手にゼミをやるくらいのレベルなのに「未だに毎日気づきがある。」って言うんですよ。

中西:そう、僕も発見、毎日ありますよ。去年より今年、今日より明日、どれだけ進化しているかっていうことだけですよね。

成田:また同じこと仰ってる。(笑)

高崎:だから昨日の自分を超えてないと嫌なんですよ。

中西:そうそう、本当に!それが毎日のモチベーションなんで。そうじゃないと続かない。

高崎:ただ、成田さんの言うことももっともで、道具は最新な機材なのに、工夫もない同じセットで、、ただライト並べただけのセットで撮ってるカメラマンが多いのも事実なんです。だからね、僕の講座を受けたいっていう時点でその方は今の自分を変えたい、思っ ているわけなんです。これってプロにとっては一番大切な気付きなんですよ。

中西:僕らは自然が相手なんで自分じゃコントロールできない。それとどう自分のイメー ジを組み合わせていくのか向き合うことなんて、もう毎日が修行ですよ。修行僧のように撮ってますけどね。

高崎:まあ、僕と中西さんの思想がズレていないということがよく解ったところで(笑)、中西さん、定期的にここで授業してくださいませんか。

中西:面白そうですね。さすがにここでの授業のためだけに美瑛から上京することは難しいですが、2年かけて全6回とかの流れで教えられたらいいですね。それで最終的に自分の表現したいことを見つけてもらえるような内容を練ってみます。

高崎:よかった。確約をいただいたところで(笑)午後の講座の準備に入りましょうか。

成田:面白いお話、ありがとうございました。

中西:こちらこそありがとうございます。

(このインタビューは2017年8月27日(日)に収録しました。)